月刊ガンジー5月号

主にアンレールドとサーモンランについて書く思考録。

Unrailed! 線路猶予による列車速度の変化について

Unrailed! のエンドレスモードでは、ステージをクリアするごとに列車がだんだん速くなっていく。しかし実は、同じステージのなかでも列車よりも前に敷かれている線路の数(以下、線路猶予と呼ぶ)によって列車の速さは変動する。ざっくり言うと、列車は線路猶予が多ければ速くなり、少なければ遅くなる。

この仕様について、なお氏の文章を以下に引用する。(YouTubeUnrailed! Endless Extreme WR (3803m)』におけるコメントより)

列車の前にレールが引かれてる数が多ければ多いほど加速します。tamaさんの研究によると列車の前に7枚レールが引いてある状態がベースの速度(画面左上の速度)で、それより多く引かれていると加速し、少なく引かれてると減速するようです(詳細な数値については諸説あり)
また、列車のベース速度が早くなればなるほど、この加減速の倍率は小さくなるようです(こちらも諸説あり)
なので、安定して進めたいなら前に引きすぎない方が安定するはずです

これを引用してこの記事を終わりにしてもいいのだが、せっかく自分でも検証したので、そのデータを残しておく。

2021/5/6更新: 検証が不足していたので追加検証した。それに伴い、以前までの結果考察を粉砕した。スプレッドシートのリンクだけ張ってあるが、また書き直す予定。

結論

結論から言うと、列車の速度Vは次の式で表されるようだ。

V = Vbase+(R'-8)/80

R’ = CEIL(MAX(4, MIN(24, R)))

Vbaseは列車のベース速度すなわち画面左上に表示されている速度で、Rは線路猶予である。R'はRに補正をかけた値で、計算式の意味は「Rを4~24の範囲に収めて小数点以下を切り上げよ」である。

私が確認した限りでは、この計算式は距離、ベース速度、人数、バイオームなどによらず固定である。

  • 線路猶予1枚につき列車の速度は0.0125m/s変動する。
  • 線路猶予が8枚のときベース速度に一致する。
  • 線路猶予が4枚で最遅(-0.050m/s)であり、4枚以下は同じ。
  • 線路猶予が24枚で最速(+0.200m/s)であり、24枚以上は同じ。

検証方法

ゲームはSteam版のVer.2.0-7e71577faを主に使用した。ローカルのイージーサンドボックスにおいて、目的の線路猶予を維持するように少しずつ線路を敷き、列車が10m進むのにかかった時間を計測した。

たとえば「線路猶予が4枚のときのデータ」を取る際には次のようにした。まず、列車が動き出す前に3枚の線路を敷く。初めから駅の前に1枚の線路が敷かれているので、それと合わせれば4枚となる。列車が動き始めてからは、線路猶予が残り3枚になった瞬間に新しい線路を1枚敷くことを繰り返した。このとき、線路猶予は4→3、4→3……という鋸歯状の変化を繰り返す。このときのデータを「線路猶予が4枚のときのデータ」として扱う。

結果

検証結果をまとめたスプレッドシートのリンクをここに示しておく。

活用法

なお氏の文章にもあるように、クリアを安定させたいならば、線路をむやみにたくさん敷くべきではない。特に時間を稼ぎたいときには、あえて線路を敷かずにそのへんに積んでおくのが有効なテクニックとなる。たとえば、斧やつるはしによる進路の開拓が間に合っておらず、しかし列車を蛇行させるだけの資材やスペースもないという場合である。